物質に自分を委ねるなら
心は砕かれてしまう
精神に自分を見出だすなら
人と人は結びつく
人の中に自分を観るなら
私たちは世界を築く
ルドルフ・シュタイナー
アントロポゾフィー(人智学)は、オーストリア人の哲学者ルドルフ・シュタイナーが、20世紀初頭に提唱した、社会や文化をより人間的なものにしていくための新しいムーブメントとして知られています。
その成果は、医療、薬学、農業、各種芸術、人文科学、社会科学、自然科学などの広範におよび、すでにヨーロッパでは一定の評価を受けるに至っています。
特に、教育の分野においては、2014年現在、世界60カ国にわたり1,039校のシュタイナー学校を数えるほどに成長しています。日本でも、数多くの紹介がなされ、全日制が8校、そのうち2校は学校法人として活動し、幼児教育施設も50を超えました。この動きは日本だけのものではなく、そのほかのアジア地域でも、年々シュタイナー学校、幼児教育施設の数は増えてきています。その様な背景の下、2005年から始まったAWTCは、アジアでシュタイナー教育を実践する教育者たちが集まり、顔を突き合わせて話し合う貴重な機会となりました。そして、その中でアジアという文化を背負って生きている私たちが抱える独自の課題が次第に明らかになってきています。
アジアで教育を実践する者たちにとっては、日々子どもたちと向き合い、どのようにシュタイナー教育を通して、アジアの未来を創る子どもたちを育んでいくか、という大きな挑戦に立ち向かっています。ただ、そこには、たくさんの難問が待ち受けています。昨今、大きく取り上げられている過去の歴史に対する考え方の違いもその一つでしょう。
この会議では、韓国、中国、台湾、インド、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ネパールなどのシュタイナー教育実践者たちが一同に介し、各国文化理解の為の講演、分科会形式による分野別実践会議、各国の芸術や文化のデモンストレーションなどを体験します。
アジアの教員が集い、時間をともにし、様々な課題にともに立ち向かうことで、その動きが大きな衝動となり、これからのアジアの未来の在り方を変えていく大きな一助になると信じ、このような会議を日本で開催する運びとなりました。
「意識の橋をアジアの未来に架ける」
日程 : 2015年4月25日(土)~5月1日(金)
会場 : 学校法人シュタイナー学園
〒252-0187神奈川県相模原市緑区名倉2805-1
日本シュタイナー学校協会
https://waldorf.jp/
日本シュタイナー幼児教育協会
http://jaswece.org/
ルドルフ・シュタイナー教育芸術友の会(ベルリン)
http://www.freunde-waldorf.de/
国際交流基金助成事業
https://www.jpf.go.jp/
私たちは地上に誕生した時から、自分と周りの世界との間に橋を架け続けます。まなざしを向け、手を伸ばして触れ、次第に、もっと離れた他者や対象と出会い、考えや思いを通わせる心の橋を築きます。外側に広がると同時に、自分自身に向かう内側の方向も深まります。
橋は、やむことなく架け続けられなければなりません。さもないと、私たちは、成長し変化する対象をもはや見出すことが出来ず、孤立と思い込みの枠を互いに張り巡らすことになるでしょう。教育という仕事の中でも、同じような状況はしばしば起こります。
そこにいのちを吹き込むのは、困難を自覚しながらも相手に傾聴し、感じとろうとする一人ひとりの意志の作業です。その行為を通して、私たちは対象の新しい姿を見出し、自分自身も新しくされます。
その時、世界と私の間には、幻想や断絶を越えた、より高次の意識の橋が架かります。
2005年以来2年毎に開かれてきたアジア=ヴァルドルフ教員会議は、2015年の日本開催で10年目、第6回を迎えます。この10年の間に、私たちアジアの教員たちは、広がるヴァルドルフ(シュタイナー)教育運動の輪の中で出会い、同時に世界の中で個々の国を、そしてアジアを見出す機会を得ました。国と国の違いを知り、距離を自覚し、民族の課題について考えを向けました。私たちを結びつける変わらぬ教育の本質を学び合いました。
アジア各国の教員たちが日常を越えて集う時と場が、この潮流を更に進ませていきますように。そして、何より、未来の世代である子どもたちに向かう私たち一人ひとりを鼓舞し、輝く橋を架け続ける勇気を呼び覚ますものとなりますように!
はた りえこ
日本シュタイナー学校協会代表
親愛なるヴァルドルフ教育の友人たち
そして同僚の皆さん
みなさんに心からの挨拶を送ります。このたび日本で開かれるアジア会議にふたたび集まることが出来て、とても喜んでいます。今回も、私たちは集中的に学び、ルドルフ・シュタイナーの教育芸術の理解を深めていきましょう。理解が深まるにつれて、私たちは、教育芸術を授業の中でもっとよく使いこなせるようになります。
教育芸術のめざすところは何でしょうか? 教育によって、弱さではなく、自分の人生の課題を成し遂げるための力が育つように、若い人たちを人生へと導くことです。
従来の教育は、若者から、人生の課題のために必要な力を奪っています。その結果、生活するだけでほとんどの力が使い尽くされてしまいます。教育芸術の中で、私たちは、生命力を満ち溢れるほどに強めます。人間学の造形的で音楽的な力がその作用をもたらすでしょう。そのためにこそ私たちは会議を持ちともに働くのです。では、日々の実践において、人間学の造形性と音楽性はどのように表れるのでしょうか?
真に統合的な人間性が生まれ、生命力が喚起されるために、私たちは人の上部と下部をどのように協調させるのでしょうか?
日本での会議で、私たちは、教室の生徒たちへの私たちの行為が、もっと豊かな創造性に満ちたものとなることをめざして、このテーマに向かいましょう。
教育の問いとは、生徒と教師のために生命力をいかに喚起するか、という問いに他なりません。
クリストフ・ヴィーヒェルト
前・精神科学自由大学教育セクション代表
親愛なる友人たちと同僚の皆さん
2005年に最初のAWTCが台湾で開催されて以来、この10年間でアジアでは急速な発展が見られました。
たくさんのシュタイナー幼稚園、シュタイナー学校が設立され、大きくなってきたとともに、その急速な成長に伴う課題も生じてきました。
2年に一度、AWTCでともに働くことは、アジアのヴァルドルフ運動において、互いに支え合うつながりを作り上げてきただけでなく、ある衝動の中で自信をも与えてきました。その衝動を実践していくためには、十全でとても集中した真剣さとともに、育ちゆく子どもたちと彼らの未来への可能性にユーモアと興味を持って関わっていく、その両方が必要とされています。
日本で私たちがともに働くことが、アジアの全ての国々で実りあるものとなり、私たちが受け取る知識と経験が、今後、日々の仕事のよき礎となりますように。そして、アジアのシュタイナー幼稚園、シュタイナー学校に関わる人々の間で、お互いの理解とつながりが発展していきますように。本当のヴァルドルフ運動だと責任をもって呼べるために。
わたしたち皆にとって、興味深く、深い気づきのある体験になりますよう願っています。
ナナ・ゲーベル
ルドルフ・シュタイナー教育芸術友の会代表
Day 1 | Day 2 | Day 3 | Day 4 | Day 5 | Day 6 | Day 7 | Day 8 | |
25-Apr | 26-Apr | 27-Apr | 28-Apr | 29-Apr | 30-Apr | 1-May | 2-May | |
Sat | Sun | Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat | |
8:40 - 9:00 | 到着日(各自随時到着) | 8:40 - 9:10 オリエンテーション |
朝の集い | 出発日 (日本の参加者はその後16:00より集い) |
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9:00 - 10:00 | 基調講演(クリストフ・ヴィーヒェルト) | |||||||
10:00 - 10:30 | コーヒー・ブレイク | |||||||
10:30 - 12:00 | 第1分科会 | |||||||
12:00 - 14:00 | 13:00 ウェルカム屋台 | ランチ・ブレイク | オプショナル・ツアー(希望者のみ・別途実費請求・温泉はこの日のみ) | ランチ・ブレイク | ||||
14:00 - 15:30 | 第2分科会 | 第2分科会 | ||||||
15:30 - 16:00 | ブレイク | ブレイク | ||||||
16:00 - |
オープニングレセプション 和太鼓演奏(京田辺生徒)/クリストフ・ヴィーヒェルト講演など |
七頭舞(賢治生徒) | 16:00 - 16:40 高等部オイリュトミー(藤野・賢治) |
高等部オーケストラ(藤野) |
16:00 - 20:30 (21:00) アジア各国紹介(夕食) |
クロージング・セレモニー 各分科会報告 / 修了証授与 / 次回開催地決定など |
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16:30 - 18:00 | フロリアン・オズワルド「共和的な学校運営とは」 | 16:40 - 18:10 クラウス・ペーター・ロー「クラス担任の役割」 |
ポーン・パノソット「アジアにおける意識の進化」 | |||||
18:00 - | 夕食 | 夕食 | ||||||
19:30 - |
19:00 - 19:30 「神秘劇」上演 19:30 - 21:00 入間カイ「日本は変われるのか? ~現代アジアのキリスト衝動~」 |
オイリュトミーの夕べ | ビデオレター / ボランティアスタッフも参加して夕食 |
日本シュタイナー学校協会(代表:秦 理絵子)
〒252-0187神奈川県相模原市緑区名倉2805-1
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