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【お知らせ】連携型教員養成講座第6期・説明会日程

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座

連携型教員養成講座第6期・説明会日程の説明会を以下の要領で開催します。本情報は随時更新していく予定です。

詳しくは各校にお問い合わせ下さい。2024年度に開催する連携型教員養成講座第6期の詳しい案内はこちらで掲載予定です。

【アーカイブ】連携型教員養成講座第五期(2023年度)

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座

複雑な社会情勢の中、人間の成長を俯瞰し、 そのすこやかな成長を支え育むシュタイナー教育が より求められています。 日本シュタイナー学校協会は、教員養成の充実をめざし、 連携型教員養成講座第5期生を募集いたします。

昨年はようやく対面での開催が可能になりました。 状況によってはリモート開催となる可能性もありますが、 みなさまの学びを継続できるよう 柔軟に取り組んでまいります。

日本各地のシュタイナー学校が連携して運営する、教員としてこの教育に携わり学校を創っていこうという仲間との出会いの場へのご参加をお待ちしています。

お知らせ

※ 第5期連携型教員養成講座の申し込み受け付けは終了しました。たくさんのエントリー、ありがとうございました。(2023年5月13日)

※ 第5期連携型教員養成講座の2023年度の申し込みを2023年5月8日(月)に開始しました。

第5期連携型教員養成講座のPDF版フライヤーです。(2023年4月5日公開)

※ 第5期連携型教員養成講座説明会の日程はこちらを参照ください。(2023年3月22日更新)

※ 第5期連携型教員養成講座の2023年度の申し込みを2023年5月8日(月)に開始します。説明会の日程はこちらを参照ください。
連携型教員養成講座第5期2023年度の概要は、以下のPDF版フライヤーを印刷してご覧ください。印刷版は、日本シュタイナー学校協会事務局、または会員校より入手可能です。
2023年第5期連携型教員養成講座概要PDF(455KByte) (2023年3月27日)

その他のお知らせ

概要

「連携型教員養成講座」には大きく3つのコースがあります。

  1. 基礎コース
    教育者としてシュタイナー教育に携わり、子どもと関わっていく上で基礎となる学びのコースです。国内で行われている提携先教員養成コースに参加することで必要な単位を修得できます。

    ※ 基礎コースは「連携基礎コース」「夏の講座」で構成されます。

    ※ 基礎コースの履修期間の目安は1~2年です。

  2. 実習コース
    シュタイナー学校の教員になりたいという意志を持った方のためのコースです。基礎コース終了後、面談を経て本コースへ進むことができます。各学校で学び実習を積み、論文発表を行って、教員免許取得を目指します。

    ※ 実習コースの履修期間の目安は1~3年です。

    ※ クラス担任を目指すのか専科教員を目指すのかで、取得単位が異なります。

  3. 学びのコース
    教員免許取得を第一の目的とせず、基礎コース終了後も学び続けたいという方のためのコースです。単位換算一覧に基づき、学んだ単位を認定していきます。希望すれば面談を経て実習コースに変更することもできます。

    ※ 学びのコースの履修期間の目安は1~3年です。

受講の流れ

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座の受講の流れは以下の通りです。
*PDF版はこちらです

受講の流れ:図解 ホームベース校リスト 基礎コース説明 学びのコース説明 実習コースの説明
■ ホームベース校一覧(2023年4月現在)
日本シュタイナー学校協会加盟校(正会員校)
★ 連携型教員養成講座のホームベース校は本リストの中から選択してください。
北海道 北海道シュタイナー学園いずみの学校(学校法人)
〒049-5411北海道虻田郡豊浦町字東雲町83-2
t/f.0142-83-2630
関東 東京賢治シュタイナー学校(特定非営利活動法人)
〒190-0023東京都立川市柴崎町6-20-37
t/f.042-523-7112
シュタイナー学園(学校法人)
〒252-0187神奈川県相模原市緑区名倉2805-1
t.042-686-6011 / f.042-686-6030
横浜シュタイナー学園(特定非営利活動法人)
〒226-0016神奈川県横浜市緑区霧が丘3-1-20
t.045-922-3107
東海 愛知シュタイナー学園(特定非営利活動法人)
〒470-0115愛知県日進市折戸町笠寺山42-13
t/f.0561-76-3713
関西 京田辺シュタイナー学校(特定非営利活動法人)
〒610-0332京都府京田辺市興戸南鉾立94
t.0774-64-3158 / f.0774-64-3334
九州 福岡シュタイナー学園(特定非営利活動法人)
〒815-0075福岡市南区長丘3丁目10-29
t/f.092-557-1751

※ ホームベース校は特別な事情を除き途中で変更することはできません。

■ 連携基礎コース一覧(2023年4月現在)
コース 各講の主催者 連携基礎コースの内容
関東A 東京賢治シュタイナー学校 教員養成基礎コース
関東B 横浜シュタイナー学園 横浜シュタイナー学園で学ぶ 教員養成講座
関東C シュタイナー学園 シュタイナー教育基礎講座
シュタイナー教育芸術アカデミー 第12期シュタイナー教育教員養成講座
関西A 京田辺シュタイナー学校 京田辺シュタイナー学校 教員養成講座
わかやまシュタイナー学園 シュタイナー治療教育基礎コース

単位の振り替えについて:連携型教員養成講座で習得する単位については、2016年度以降に国内外において実施された教員養成コースおよび講座の受講単位一覧と出席を確認できるものがあれば、申請をもって単位の振り替えが可能な場合があります。

■ 提携している教員養成コースおよび協力講座(2024年3月現在)

* 2024年度版は随時更新中です。
* 講座一覧PDFが単位換算表になっています。

地域主催団体コース名
関東 東京賢治シュタイナー学校
  • 教員養成講座ベーシックコース・ライセンスコース
  • 公開講座
[2022年5月~2024年8月]連携基礎コース関東A 講座一覧(PDF)
[2023年度]連携基礎コース関東A 講座一覧(PDF)
【問い合わせ先】
東京都立川市柴崎町6-20-37
TEL:042-523-7112 / FAX:042-523-7113
https://www.tokyokenji-steiner.jp/2022_teacher_education/
横浜シュタイナー学園
  • 横浜シュタイナー学園で学ぶ 教員養成講座
  • 横浜シュタイナー学園で学ぶ 手仕事教員養成講座
  • シュタイナー学校の英語 ~1年生から9年生まで~
  • 公開講座
[2023年度]連携基礎コース関東B 講座一覧(PDF)
〒226-0016神奈川県横浜市緑区霧が丘3-1-20
TEL:045-922-3107 / FAX:045-922-3107
https://yokohama-steiner.jp/?p=13265
シュタイナー学園
  • シュタイナー教育基礎講座
[2021年度]連携基礎コース関東C 講座一覧(PDF)
〒252-0187神奈川県相模原市緑区名倉2805-1
TEL:042-686-6011 / FAX:042-686-6030
https://www.steiner.ed.jp/
シュタイナー教育芸術アカデミー
  • 第12期 シュタイナー教育教員養成講座
【問い合わせ先】
〒192-0375東京都八王子市鑓水2-78-1-108
TEL:03-6869-2196 / FAX:03-6369-3898
http://steiner-jp.net/
地域主催団体コース名
東海 愛知シュタイナー学園
  • 愛知シュタイナー学園 教員養成 夏期講座
[2023年度]提携校講座・愛知 講座一覧(PDF)
【問い合わせ先】
〒470-0115愛知県日進市折戸町笠寺山42-13
TEL:0561-76-3713 / FAX:0561-76-3713
http://aichi-steiner.org/
地域主催団体コース名
関西 京田辺シュタイナー学校
  • 京田辺シュタイナー学校 教員養成講座
[2024年]連携基礎コース関西A講座一覧(PDF)
[2024年]京田辺シュタイナー学校教員養成講座「公開講座」(PDF)
【問い合わせ先】
〒610-0332京都府京田辺市興戸南鉾立94
TEL:0774-64-3158 / FAX:0774-64-3334
オープン講座 申し込み
探究コース 申し込み
わかやまシュタイナー学園
  • シュタイナー治療教育基礎コース
[2024年度]提携校講座・和歌山 講座一覧(PDF)
【問い合わせ先】
〒649-6434 和歌山県紀の川市中三谷742-2
https://foundation.wakayama-sg.org
地域主催団体コース名
九州 福岡シュタイナー学園
  • 田原眞樹子主催 「カスタリア( オイリュトミー・芸術)講座 」
  • シュタイナー教育者を育てる会
  • 桧原シュタイナー土曜学校主催講座
  • ほか
[2023年度]提携校講座・福岡 講座一覧(PDF)
【問い合わせ先】
〒815-0075福岡市南区長丘3丁目10-29
TEL:092-557-1751 / FAX:092-557-1751
https://fukuoka-steiner.org/

※ わかやまシュタイナー学園はホームベース校の対象外です。

【国際連携】ドルナッハ(スイス)精神科学自由大学教育部門

お申し込み

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座第5期のお申し込み受け付けを2023年5月8日より開始しました。申し込み締め切りは5月31日です。
定員になり次第締め切らせていただきます。

  1. お申し込みをお考えの方は、各校で開催されている説明会に必ずご参加ください。
  2. 本ページにリンクを設ける申込受付ページに飛び、必要事項を入力してください。
  3. 担当ホームベース校からご連絡いたします。
  4. こちらから夏の講座のお知らせ、希望のフォームをメールにて送信いたします。
  5. 協会事務局からメールにて金額とご入金先をご連絡いたします。
  6. 入金確認をもって受付完了となります。
  7. こちらの最新情報もご確認下さい。

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座第5期のお申し込み受け付けは、定員に達したため終了いたしました。たくさんのお申し込み、どうもありがとうございました。

申込受付は終了しました

主催とお問い合わせ先

  • 主催:日本シュタイナー学校協会
    *お問い合わせはこちらのフォームからお願いします。
  • 承認:精神科学自由大学教育部門(スイス・ドルナッハ)
    日本シュタイナー学校協会による連携型教員養成プログラムは、日本での(シュタイナー教育)教員資格を得るためのプログラムで、ドルナッハ精神科学自由大学に了承されています。
    "Collaborative Teacher Training Program" by Japan Waldorf School Association is a teacher certification program valid in Japan in agreement with the Department of Education, School of Spiritual Science in Dornach.
Waldorf-100 logo

ヴァルドルフ/シュタイナー教育100周年

【書籍】教育芸術を担う『シュタイナー学校の教師たち』

本書の序文には「神秘のヴェールに包まれたシュタイナー学校の教師たちの姿に迫ること」を目的として執筆されたと記されています。教育実践が記載された書籍は多数出版されていますが、それらを実践している教師の実像に迫る内容は、シュタイナー学校のホームページに掲載された教師へのインタビュー記事以外はなかなか見ることができません。

このような記事はとても興味深いものも多く、生の声を聞くことができる非常に貴重な存在です。本書では、大学で教育学の基礎理論に関する講義を担当されている筆者によるインタビューの内容が数多く掲載されています。しかも、その内容の解説・分析がかなりのボリュームで掲載されています。そのため、今までにはないとてもユニークで貴重な本になっています。

こちらは、シュタイナー学校の教師を目指している方はもちろんのこと、シュタイナー学校への子どもの入学を検討されている方もとても興味を持って読み進めることができます。

なぜなら、前者にとっては、現役教師の来歴となる22の物語や教員養成の過程の具体的なエピソードに触れることでき、さらに長年教師の卵を送り出してきた筆者の経験に基づく的確な付加情報があるからです。 

後者にとっては、自分たちの子どもが長い間学ぶことになる学校の教育観を実体のある教師の生の声から聞くことができ、さらにその教師たちの学び続ける姿勢や態度についてもうかがい知ることができるからです。

もちろん、教師に求められることを実現するための困難さや現在に至るまでの失敗の例も述べられており、全てがうまく順調に事は進むわけではありません。

しかしながら、少なくとも本書により、シュタイナー学校の教師が神秘のヴェールから姿を現し、より解像度の高い状態でその姿に迫ることができるようになった事は、とても大きな成功であるといえるのではないでしょうか。

内容紹介

著:井藤 元
発行年月:2023年11月30日
刊:ナカニシヤ出版、A5、248ページ、2,750円(税込)

第1章 教師たちの来歴-22 の物語

  1. 4つの類型
  2. 学生時代を終えて、すぐに教員養成課程に進んだ教師たち
  3. 社会人経験のある教師たち
  4. 公立学校での教員経験のある教師たち
  5. 社会人経験あるいは公立学校での教員経験があり、かつ保護者としてシュタイナー学 校に関わった経験がある教師たち
  6. 22 の物語から見えてくること 

第2章 教師たちの修行時代―教員養成課程での経験

  1. 徒弟的な学び
  2. 威光模倣の対象との出会い
  3. 魂の在り方の変容
  4. シュタイナー思想を「高次の本能」として落とし込む
  5. 教師のタイプの複数性
  6. 目に見えない存在にアクセスする
  7. 偶然の出会いに身を委ねる
  8. メンター制度について
  9. 伝承とオリジナリティ
  10. 終わりなき探究

第3章 シュタイナー学校の教師に求められること

  1. シュタイナー思想を信じる必要があるか――開かれた態度を保つ
  2. シュタイナーの教育理論は実践を読み解くためのヒント
  3. 自己教育の重要性――変わり続けてゆくこと
  4. 子どもに対して畏敬の念を持つ
  5. 長期的展望のもとで子どもの姿を捉える――教師たちの射程
  6. 子どもの魂を満足させる授業――授業の生命線を見つける
  7. 授業の即興性をめぐって――教職的なスキルの必要性
  8. 同僚性に支えられた教師たちの成長
  9. 教師自身も自由に
  10. 新卒でシュタイナー学校の教師はつとまるのか

第4章 醍醐味と困難

  1. 教師の仕事の三つの特徴
  2. 再帰性について
  3. 不確実性について
  4. エポック授業のメリット
  5. 不確実性を呼び込む
  6. 無境界性について
  7. 教員会議の無境界性
  8. 授業準備の無境界性
  9. 長期休暇の過ごし方
  10. 学年末の通信簿

付録 国内で受講できるシュタイナー学校教員養成講座

  1. 日本シュタイナー学校協会 連携型教員養成講座
  2. 日本各地の教員養成講座
    1. 東京賢治シュタイナー学校教員養成講座
    2. 横浜シュタイナー学園で学ぶ教員養成講座  
    3. 京田辺シュタイナー学校教員養成講座  
    4. シュタイナー学園で学ぶ教員養成講座 
    5. どの講座が自分に合うのか 
  3. 教員養成講座受講者の体験談

【重要なお知らせ】日本での「シュタイナー」教育の名称使用権について

2024年4月、日本シュタイナー学校協会は一般社団法人格を取得する予定で準備を進めております。この法人を基盤に、日本社会でより責任ある活動を展開していくとともに、世界のシュタイナー/ヴァルドルフ教育運動との連携も充実させてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、それにあわせて、新法人が「シュタイナー」を名称に含む教育機関の商標の日本国内におけるライセンサーとなる予定です。この件について、以下に詳細をご案内いたしますので、関係する団体様はご一読いただきたくお願い申し上げます。

1919年にシュタイナー/ヴァルドルフ教育がドイツで始まってから、世界中の国々にこの教育が広がってきた歴史は希望に満ちたものですが、多様な地域に1,000以上の教育活動が広がる中で、ときに適切でない活動にこの教育の名称が使用されるということも生じました。また、シュタイナー/ヴァルドルフ教育という名称が広く知られるようになり、この名称の下に実践される教育が、その名称から期待される実質と乖離することがないよう、質保証の必要性が高まってきました。

そのような背景から、ドイツのヴァルドルフ学校連盟(Bund der Freien Waldorfschulen)は、教育分野における「ヴァルドルフ」および「シュタイナー」という名称使用の法的権利を、ドイツ国内だけでなくこの教育が広がる国々においても取得することで、名称使用権を用いた質保証の仕組みを何十年も前から構築してきたのです。

この名称使用権の管理は、2016年に国際シュタイナー/ヴァルドルフ教育フォーラム(International Forum for Steiner/Waldorf Education、以下IF)および国際シュタイナー/ヴァルドルフ幼児教育協会(International Association for Steiner/Waldorf Early Childhood Education、以下IASWECE=イアスヴェーケ) とドイツ・ヴァルドルフ学校連盟で取り交わされた合意にもとづき、IFおよびIASWECEが執行権を有しています。また、それぞれの国にシュタイナー/ヴァルドルフ教育を代表しうる協会(法人)がある場合には、その協会(法人)がドイツ・ヴァルドルフ学校連盟からライセンスを受け、名称使用権を用いたシュタイナー/ヴァルドルフ教育の質保証に責任をもつという方向性が確認されています。
Transfer of licence rights to national organisations of Rudolf Steiner and Waldorf School associations(IF)

この流れを受け、日本シュタイナー学校協会は、日本国内における名称使用権のサブライセンスをドイツ・ヴァルドルフ学校連盟から受託することを2022年に合意しました。2024年4月の法人設立を経て、一般社団法人日本シュタイナー幼児教育協会と連携しながら、名称使用権を用いた質保証の仕組みを構築していく予定です。

この名称権を用いた質保証については、IFおよびIASWECEとともに以下の方向性を確認しています。

  • この名称権を用いた質保証は、教育現場の状況に即した透明性ある運用を心がけ、官僚的で杓子定規なものにならないよう注意深く行う。
  • 上記のような運用が担保されるよう、評価は経験豊かな教育者に委任され、2016年5月17日にフランス・アルルのIF会議で承認された「ヴァルドルフ教育の基本的特徴」および日本独自の指針に基づいて評価を行う。評価者は、個人の見識に基づいた自由な評価を保障される。
  • 上記の如何にかかわらず、すでに「シュタイナー」を含む名称を5年以上継続して使用している団体は、その名称をそのまま継続して使用することができる。その場合にも、日本シュタイナー学校協会または日本シュタイナー幼児教育協会と関係を結び、互いに顔の見える関係を維持することが推奨される。

以上が概略となりますが、さらなる詳細は、一般社団法人日本シュタイナー学校協会が正式に名称使用権のサブライセンスを受託した後に公開いたします。

最後に、この名称使用権を用いた質保証の取り組みは、シュタイナー/ヴァルドルフ教育運動を個々の教育現場がともに支えあい、発展させていくという、より包括的な私たちの目的の一領域であることを確認して締め括らせていただきます。

2024年1月22日
日本シュタイナー学校協会
代表 はた りえこ

【書籍】『教育観を磨く』 子どもが輝く学校をめぐる旅

日本能率協会マネージメントセンター社より、「教育観を磨く」という本が2023年12月に刊行されました。 サブタイトル「子どもが輝く学校をめぐる旅」にもあるように、特徴ある4つの学校をめぐり、教育観を磨く「旅」を著者たちと一緒に体感できる内容です。

まず、各学校の概要と訪問の記録、そして各学校の道先案内人となる教員の来歴や教育実践に至る経緯の紹介があります。これを前提に、著者である井藤氏と苫野氏によるディープなインタビューが繰り広げられるため、あたかもそこに同席しているような感覚で読み進めることができます。

教員を目指す方のみならず、教育関係に携わっている方、入学や編入を考えられている保護者の方にもお薦めします。

本書で紹介されている学校は以下の4校です。

  • 北九州子どもの村小学校・中学校(福岡県)
  • 伊那市立伊那小学校(長野県)
  • 三河サドベリースクール・シードーム(愛知県)
  • 横浜シュタイナー学園(神奈川県)

シュタイナー教育のナビゲーターは横浜シュタイナー学園クラス担任の長井麻美です。

「人生の課題を応援すること」、「その時期の子どもの成長に必要な栄養がある」など教育観やシュタイナーの人間観などをインタビューで引き出していただきました。

内容紹介

『教育観を磨く ー 子どもが輝く学校をめぐる旅』 著:井藤 元 、苫野 一徳、小木曽 由佳 刊:JMAM A5・232ページ 2,200円+税

旅立ちの前に
はじめに
第1章 北九州子どもの村小・中学校~一人ひとりがみんなと自由に~
第2章 伊那市立伊那小学校~子どもは自ら求め、自ら決め出し、自ら動き出す~
第3章 三河サドベリースクール・シードーム~自分のことは自分で、みんなのことはみんなで
第4章 横浜シュタイナー学園~子どもは自分の課題をもって生まれてくる~
学校概要、学校訪問記、ナビゲーター紹介
横浜シュタイナー学園に至るまで
ドイツへの旅立ち
8年間一貫担任を肌で感じる
日本での経験
人間は一回だけの存在か
人生の課題を応援すること
シュタイナー学校の教師になる前に
横浜シュタイナー学園の実践で感じること
守られた学びの空間
保護者の理解
シュタイナー教師の佇まい
発達段階にふさわしい栄養
一斉授業と一人ひとりの個性
シュタイナー教育のエッセンス
第5章 教育観を磨くということ
おわりに

著者の一人である井藤氏の著書は以下でも紹介しています。

・シュタイナー学校の道徳教育
https://waldorf.jp/100th/moral-education/

・マンガでやさしくわかる シュタイナー教育入門
https://waldorf.jp/100th/comic001/

【連携型教員養成講座】2024年度の開催情報開示時期について

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座

日本シュタイナー学校協会 連携型教員養成講座に関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。 2024年度開催第6期の連携型教員養成講座開催情報は、3月末に以下のページにてご案内いたしますので、今しばらくお待ち下さい。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【連携型教員養成講座】夏の講座2023 ご報告

日本シュタイナー学校協会連携型教員養成講座
連携型教員養成講座2023年夏の講座を終えて
  • 開催日時 :2023年8月19日(土)、8月20日(日)
  • 会場: 京田辺シュタイナー学校
  • 受講者数 :83名
    • 継続:1~4期生 56名
    • 新規:5期生 27名

2023年度の連携型教員養成講座 夏の講座は暑い暑い京田辺市で行われました。隔年で関東エリアとその他の地方という形で行われている「連携型 夏の講座」ですが(100周年やオンラインでの開催もあり、過去は関東エリアのみ、よりによって「日本でも一番暑い」と言われる京田辺での実施となったのです。
今回は全国から83名の方々が集まって下さいました。担当の教員やスタッフも合わせると100名を超える数です。日本一暑い場所が、さらに熱気あふれる場所となりました!
歌とあいさつの後、午前は鳥山雅代さんの講座で始まりました。ここにすべてを紹介することはできませんが、印象的だった2点についてご紹介します。

受胎告知 レオナルド・ダ・ヴィンチ(ウフィツィ美術館

鳥山雅代さんはこの絵を見せながら、以下のように語ってくださいました。…シュタイナーは繰り返し、教員は霊界において為されようとしている仕事を、今、ここに引き継いでいる、という趣旨の言葉を述べています。天使ガブリエルが、マリアとマリアのおなかの中のイエスに仕えているように、私たち教員は子どもたち一人ひとりに仕えているのだ、それゆえに、子どもをそのままに、あるがままの貴いものを喪わせることの無いように、大切に育んでいくことが教員の仕事なのだ…。教員の責任の大きさを、この絵画のイメージとともに、心に受け取りました。

また今回は第3七年期以降、つまり21歳以降の人生についてもお話があり、その中でも特に56~62歳以降の時期を「ヤドカリ」としてお話しされた部分が印象的でした。…老いを迎え、肉体にも思考力にも衰えを感じるこの時期、ヤドカリのように周りが見えなくなる時期、のように見えて、実はもっとも霊的、精神的になっていく時期であり、それゆえ「老いることは、若返ること」とシュタイナーは言っているのだ、と。この言葉は、今まさに老いを感じ始めている私や同年代の教員たちには「希望の言葉」として、とても心に響きました。

午前の二部は様々な教科の学びを中心に行われました。7年生人間学、高等部の歴史と現代社会、初等中等部の数の学び、4年生動物学、それに気質論の五つの講座が行われました。


私、中村重郎の担当した高等部の歴史・現代社会では資本主義を取り上げました。人々がお金でつながっている現代社会の中で、人々は本当にお金だけでつながっているのか? 皆さんはどのように実感し、考えているのかを、様々な視点、テーマで見つめ、語りあってゆきました。私自身、皆さんの意見に大きな触発を受けましたが、それこそが高等部で目指しているものであること、つまり生徒、教員を超えて、一人の人間として意見を述べ、耳を傾け、互いに触発されながら、語りあうこと。そうして語りあう皆の輪の中心には「何か大きなイメージ、本当に大切なものが、言葉を通して造形されてゆくのだ」ということが、少しだけ出来たように感じられ、嬉しく思いました。

お昼休みを挟み、午後は芸術科目です。オイリュトミー、言語造形、リズム、白黒デッサン、音楽が行われました。



その中で音楽を受講された方からのお話では、弾丸のようなトークと弾丸のように進んでいく歌の紹介+実践で、息を継ぐ暇もなくあっという間に終わったという、熱くて内容の深い時間だった、とのことでした。安藤しおりさんからは授業についての様子の報告については、以下にご紹介します。

『芸術体験:音楽 では、2日間に渡り、1年生から7年生くらいまでのシュタイナー学校での音楽を体験しました。さまざまな楽器も交え、初日は1~3年生の”たゆたう”音世界をふんわりたっぷり堪能。2日目はだんだん”目覚めて”スキルもアップ。変拍子の合唱やギターの弾き歌いまでチャレンジしました。スタッフさんや講師の先生方も多数参加してくださって、ワイワイと楽しく「生命を育てる」響きの旅を味わいました。』

最後の振り返りの時間は全員で集まる前に7~8人くらいの小さなグループでいろいろとお話ししました。参加者の皆さんから直接言葉を頂けたのがとても良かったと、個人的には思っています。「授業が面白かった」という言葉、「芸術科目でなかなかうまくいかずに苦労しながらも、最後にはある達成感があった」こと、「苦労したことと、そのあとに来る達成感の両方に意味があると感じた」こと、「子どもたちもこうして日々意味深い時間を過ごしているのだろうな。と感じた」こと等々。そして、「こうして全国から様々な人が集まり、様々な出会いのあったことが、とても良かった」という意見も多くの方からお聞きすることが出来ました。

その後今回の参加者全員が、メイン会場であるホール2に集まり、基礎コースを終えられた方々、そして実習コースを終えられた方々の修了式を行いました。それぞれの方が一定の学びを終え、また思いも新たに学びを続けようとおっしゃって下さいました。私たちには何よりも嬉しい言葉であり、こうしてコースを運営し続けていくエネルギーを改めて頂いた思いです。

                      文責 中村 重郎 (京田辺シュタイナー学校)

【後援】マルコ・ビリテッリ氏講演「現代を生きる子どもたちに、何ができるのか︖」

アントロポゾフィーに基づくユースのための自己発見の場「ユーゲントゼミナール」の校長が来日。「現代を生きる子どもたちに、何ができるのか︖」をテーマに講演を行います。福岡シュタイナー学園が主催するこの講座を日本シュタイナー学校協会は後援しています。

  • ライブ配信、事後配信あり
    2023年月9月3日(日)10:00~
    会場 福岡シュタイナー学園
    PDF版フライヤー
  • 講師:マルコ・ビンデッリ氏
    ザールブリュッケン音楽大学で音楽を学ぶ。シュトゥットガルト自由大学で音楽研究を続け、また人智学の基礎研究を徹底的に研究。その後、ドイツユーゲントゼミナールで、音楽と人智学入門の科目の指導活動を行う。2002年よりドイツユーゲントゼミナールの責任者として活動している。
  • 参加費:3,000円
  • 問合先:石田080-8015-5498
  • 申込先:石田080-8015-5498 / kyohei.ishida@fukuoka-steiner.org
  • 主催:福岡シュタイナー学園/一般社団法人国東教育共同体・モルゲンシュテルン
    後援:日本シュタイナー学校協会

主催者のメッセージ

日本では不登校やいじめ、引きこもりなどの子どもに関わる問題が何年も前から深刻化しており、現に「子どもの幸福度指数」の世界統計では、日本は先進国の中で最も低いレベルに位置し、また、自殺者数や自殺願望を抱く子どもの割合は世界でもトップクラスの水準にあります。

自分たちが生きている社会・世界に対して希望を抱けない、そういった子ども達が、私たちの見えないところでも潜在的に多く存在しています。そしてそれは、そういった希望を与えられない社会を創ってきてしまった私たちに原因があるのではないでしょうか。

今回ドイツからお呼びしたマルコさんは、長年ドイツのユーゲントゼミナールという、世界中の青年達が集い学ぶ場を創ってこられた方で、一人一人の青年達と真摯に向き合い続け、現代を生きる青年たちと生身でぶつかってこられた方です。

今回は、「現代を生きる子どもたちに、何ができるのか︖」というテーマで、彼が肌感覚で子どもたちと関わってこられた経験から語っていただきます。非常に貴重な機会であり、子育てや教育などに関わる全ての方々に是非聞いていただきたいと思っております。

【後援】オーケストラによるオイリュトミー舞台プロジェクト

オーケストラの生演奏によるオイリュトミー舞台が、日本で初めて実現します。演目はドヴォルザーク「新世界」全楽章。2024年8月の本公演を目指して練習を重ねるにもプロジェクトを、日本シュタイナー学校協会は後援いたします。

  • 第1公演 はばたけ、心のうた
    2023年月8月5日(土)14:00開演/会場 相模湖交流センター
    *第1公演はピアノ連弾による上演です
  • 第2公演 にもかかわらず 生きる ~光と闇のはざまで~
    2023年12月26日(火)18:00開演/会場 府中の森芸術劇場 ふるさとホール
    *第2公演はピアノ連弾による上演です
  • 第3公演 にもかかわらず、生きる ~消えぬともしび~
    2024年8月予定/東京都内公共施設を予定
    *第3公演はオーケストラ演奏による上演です
  • 詳細は以下のサイトをご覧ください。
    にもプロジェクト公式サイト

推薦のことば

初めてオーケストラオイリュトミーを観たのは、若者たちによるベートーヴェン第五交響曲。若い命と友愛の動きが空間を満たす、まさに「運命が動く時」でした。日本で初めてのオイリュトミストたちによる公演、その実現への努力と協力は、時代の暗さに灯りをともす光です。

はた りえこ (当協会代表)

子どもの個性を引き伸ばしながら、知的な学びと同時に芸術的な力を育んでいくシュタイナー学校で、オイリュトミーは、特別大切な意味を持つ科目です。

音楽や言語を身体で表現することで、その中に潜んでいる力が花開き、子どもの一人ひとりの中に潜在する能力が活発に動き出します。しかもそれらを仲間とともに、動くことで、驚くほど、子どもの社会的能力が養われていきます。つまりオイリュトミーはシュタイナー学校において、頭と心と体のバランスを育成する運動芸術の教科なのです。

オイリュトミーの中に潜んでいるものは、彫刻芸術の中にも、絵画芸術の中にも潜んでいる形成力と全く同じ力であり、それらの力は全て、人間の人体の中から生まれた生命のプロセスなのです。その生命のプロセスが動きを通して解き放たれていくことで、育ちゆく人間がより深く芸術の中に入り、真の芸術に出会う可能性が生まれます。それは本当の自分に出会うプロセスでもあるのです。この生命のプロセスを表現するオイリュトミー芸術を舞台芸術として鑑賞することで、鑑賞者の中の創造力が刺激されます。そして鑑賞するものも同じ創造者として、クリエイティブな力を自分の中に生み出すことができるのです。

だからこそ、大人だけでなく、オイリュトミーは子どもにとって授業としてだけでなく、鑑賞する対象としても、とても大きな教育的作用をもたらすのです。しかも、舞台の上で大人数のオイリュトミストを壮大なる音楽と共に体験できる事はこの上ない大きなチャンスだと言えるでしょう。一人でも多くの方にこのオイリュトミー芸術を体験していただければ、この混沌とした時代の中でも、希望の光を私たちの中に見つけることができるでしょう。 なぜなら、オイリュトミーは「調和を持った美しいリズム」であり、調和のあるリズムから「時代を動かす原動力」を一人一人が自分の中に生み出すことができるからです。

ぜひオイリュトミー公演にたくさんの方々が足を運んでくださることを心より願います。新たな時代に向けて、創造的力をこの公演をきっかけに、私たちの中に再発見していきましょう。

鳥山雅代(当協会メンバー・東京賢治シュタイナー学校教員)