News
2021年9月13日 更新
2018年度の1期生、2019年度の2期生と続けて来た連携型教員養成ですが、2020年の1月から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大という人類史上稀にみる状況の中、2020年度3期生についての夏の講座は開催を見合わせることにしました。新型コロナウイルスは全く未知のウイルスということもあり、様々な感染症対策やワクチン接種などが実施されてきていますが、ウイルスとの闘いは今日も続いています。
このように新しい課題を次から次へと出されている時ではありますが、今年度はできうる限りの感染症対策をしつつ、3期を開催するという決意で夏の講座を準備してきました。ただ、開催が近づくにつれ、感染者が日々爆発的に増え続ける中で、苦渋の決断ではありましたが、リアルでの開催ではなく、全てオンラインでの開催に切り替えることに決め、無事に終えることができました。
はじめの講義、鳥山雅代による「シュタイナー教育の人間観」は全員で、次の講義は小柳平太による「気質」、神田昌実による「お話」、中村真理子による「地理」の3つの講義の中から、あらかじめ選んでいただいた講義に入っていただきました。
そして午後は「一般人間学」の読書会でした。はじめ中村重郎によるレクチャーの後、ブレイクアウトルームを使って各チーム6、7人に分かれ、そこに教員が入るようにして話し合いを進めました。各チームの人数が少ないこともあり、一人一人が発言する機会があったのは、良かったと思います。
これらのオンライン講座が成立した背景には、昨年度からの新しい状況下で、どこの学校も高等部においてはオンライン授業を実践してきたことや、学校協会や教員養成についての話し合いもオンラインを利用して行ってきたことなどを通して、教員が少しずつオンラインのやり方等にも慣れつつあったことも幸いしたと思います。また、講座を担当する教員たちが慣れていないことについては、全面的にITに強い運営メンバーの協力があったことも感謝とともに伝えたいと思います。本来リアルで直に伝えられるからこその部分はあると思いますが、オンラインでも伝えられる手応えを得ることはできたと思います。一方で実習的な芸術科目のオンラインでの授業は難しく、実施できなかったのは残念でした。
今回実習コースに進まれた方の中から、実習を3回終えて、シュタイナー学校での教員の資格を取るべく、卒業論文を書き、卒業発表を行った人が出たことは特筆すべきことだと思います。今後はウイズ・コロナの時代にあって、どのような講座が可能なのか、どのような工夫ができるのか、さらに考え、講座の充実をはかっていきたいと思います。
文責:根岸初子(シュタイナー学園)