ごあいさつ

代表・副代表よりごあいさつ

協会代表 秦 理絵子 
オイリュトミスト シュタイナー学園教員、国際ヴァルドルフ教育会議メンバー
2014年6月1日

私たちの生きる世界には、様々な葛藤や苦しみがあります。けれども、偏ったところに調和を甦らせ、流れを吹き入れようという力も、常にはたらいています。

現在日本に7校、世界に1,000校以上のひろがりをみせるシュタイナー(ヴァルドルフ)学校は、「現代と近い未来のための学校」として1919年に誕生しました。一人ひとりの子供の成長に添った教育をという願う人たちの共同作業が、この時代に、世界と人との新しい調和をつくる営みとなって、育ち続けています。

日本で最初の学校の芽・東京シュタイナーシューレが生れたのは、学校協会の誕生から26年をさかのぼる1987年のことでした。ビルの一室、8人の1年生での出発が、アジアでの最初のシュタイナー学校でもあったことを意識にのぼらせる余裕はなく、関わる者たちは、生まれたばかりの場を育てることに邁進しました。21世紀に入って全国各地にシュタイナー学校が一つまたひとつと増えてきた頃から、国内の学校間のつながりが出来始めました。情報を伝え合うことから始めて、経済的な安定づくり、法律的な認可のなど共通する問題を話し合い、教育の質の向上に共に向かう輪が、このたび協会というかたちになりました。

子どもと教員とが出会い、その橋を親に、同僚に、地域、国、そして世界へと広げていきます。大切にしたいのは、人と人との直接の交流です。日々の教育に向かいながらも、日本の他の学校、アジアの学校、そして世界中の動きを感知する感覚器官をひらいていきたいものです。暴動と隣り合わせのアフリカの学校生活、卒業資格が大学入学資格にも通じる制度作りが進むニュージーランド、増え続ける中国の学校・・、自分たちの仕事が全体の一部を成している―そのように感じとることで、私たちは世界と一緒に成長していけます。

日本シュタイナー学校協会は、目の前で育つ子どもたちがやがて羽ばたいていく世界が、人と人との生きたつながりを失うことのないようにとの祈りを籠めて、学校間の輪をつくっていきます。

 

協会副代表 中村真理子 
京田辺シュタイナー学校理事、同校クラス担任
2014年6月1日

2013年夏、全国のシュタイナー学校教員と運営者がひとところに集い、新たな一歩を踏み出しました。この度、「日本シュタイナー学校協会」が設立したことをお知らせし、ご挨拶させていただきます。

2005年夏ごろから毎年夏に各地のシュタイナー学校の教員が小さな集まりを持つようになりました。同じころ、運営を担う保護者を中心とした集いも始まっていました。他の学校の教員たちとの出会いは、自分の学校のことだけでつい精一杯になってしまう日常に、毎年新鮮な力を与えてくれました。それでも当時は、その小さなつながりを組織という形に整えることを急ぎませんでした。つながりを実のあるものとするために、時が十分に熟すのを待ちたいという思いがあったからです。

そのようにして、私たちの内側が、少しずつ温められてきたのを感じていた2011年に、あの悲惨な「震災」がおこりました。関西圏にいる私たちは、何か手助けがしたいのにただ心配するだけで、その思いがなかなか届けられない無力さを感じていました。

そしてついにその春、私たちの中に「協会」をつくろうという意志が生まれたのです。各学校の充実こそが、まずは全体の発展のために必要だった時代は過ぎたように感じました。今後の日本におけるシュタイナー教育の発展、そしてそれぞれの学校の充実のためにも、これまで以上の連携・協力が必要とされています。各地の異なる状況において別々の体験を経ながらも、その春集まった一人一人は同じ思いを持ちました。

子どもをとりまく状況は、自然環境・社会環境の両面において厳しい挑戦を強いられています。人智学を礎として学ぶ者たちが、教育、芸術、医療、農業など分野を越えてこの社会の中でつながっていくことは、今後ますます必要とされるでしょう。この時代に生きる私たち一人一人が、与えあい、信頼をし、絆を深めていくことで、ともに発展していくことを強く願っています。